私たちは、増え続ける社会保険料に対して、老後もらえるはずだった年金はおそらく減少すると言われている世代です。
そんな中、私たちがするべきことは政治に文句を言うことでも、給料を上げてくれない会社を責めるでもありません。
来るべき未来に向けて、自分で自分の老後に備えることです。
そのために出来ることはたくさんあると思いますが、今回は投資・資産運用について紹介します。
2024年から新NISAが始動します。
これまでのNISAから、まさに神改定!されますので、この機会にぜひ投資・資産運用への興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
2024年から新NISAが始まりますが、何をしたらいいですか?
【結論】
・証券口座を開設しておこう
・投資先を考えよう
【この記事を読んだらわかること】
・おすすめ証券会社
・おすすめの投資信託
1.これからの時代は投資するしかない
1-1.増える社会保険料。減る年金。
社会保険料・介護保険料は年々上がっています。
「全国健康保険協会」によると、平成21年に8.2%だった保険料が、令和5年には10.29%と、この15年程度で2%も上がっています。
また、介護保険料についても、平成20年の1.13%から、令和5年には1.82%へと上がっています。
これらの保険料が上がっているのに対し、同じだけ給与も上がればいいと考える人もいるかもしれません。
またもちろん、保険や年金の制度があるからこそ福祉の充実が図れたり、高齢者の生活を最低限守れている部分もあります。
しかし、この少子高齢化社会に生きる我々現役世代の場合、将来受け取れる年金額が減っていくとも言われています。
もし将来受け取れる年金が減らないとすれば、それは単に私たちの子供・孫の世代にをツケが回っているだけだともいえるでしょう。
1-2.自分で自分の老後資金を作るしかない
この状況を嘆いても仕方がありません。
私たちができることは、政府や会社に自分の将来を保障してもらうことではなく、
自分で自分の老後の準備をすることに他なりません。
今のうちから、「収入を増やす」「支出を減らす」「投資をする」ことをしていき、
コシの強いキャッシュフローを作っていきたいものです。
1-3.投資をしよう
「収入を増やす」「支出を減らす」「投資をする」の中でも、
今回は「投資をする」をメインに話を進めたいと思います。
なぜなら、2024年からNISAが改定されるからです。
簡単に言うと、投資に対する税制優遇が拡大されることになります。
これはかなり良い改定なので、まだNISAを利用していない人はこの機会に準備を進めていきましょう。
そもそも国としても、
年金制度が崩壊するかもしれないと思っているからかどうかわかりませんが、
国も挙げて投資を後押ししています。
要するに、
「自分の老後資金は自分で作ってくださいね」という
国からのメッセージだと思います。
逆に言えば、
国がここまで投資をして欲しいというメッセージを伝えているのにもかかわらず
投資をしていない人のことなんか知らないよ、
ということなのではないでしょうか。
「投資」というと、
大きな損をして借金を抱えてしまうイメージを持たれている方もいるかもしれません。
もちろんリスクがゼロではありませんが、
資産を増やしていくという意味では選択肢として挙がるべきだと思います。
2.新NISAを活用しよう
2-1.新NISAでは何が変わるの?
これまで、「新NISAで神改定される」と書いてきましたが、
現行のNISAと新NISAでは具体的に何がどう変わるのかを見ていきましょう。
【現行NISAと新NISAの比較の表】
現行NISA制度 | 新NISA制度 | |||
一般NISA | つみたてNISA | 成長投資枠 | つみたて投資枠 | |
制度併用 | 不可 | 可能 | ||
年間投資上限額 | 120万円 (一般NISA選択時) |
360万円 | ||
120万円 | 40万円 | 240万円 | 120万円 | |
生涯非課税限度額 | 600万円 | 800万円 | 1,800万円 | |
(うち成長投資枠1,200万円) | ||||
売却時の限度額 | - | 買付額分の投資枠再利用可能 | ||
非課税保有期間 | 5年間 | 20年間 | 無期限 | |
制度実施期間 | ~2023年末 | ~2042年末 | 2024年~(恒久化) | |
新規買付:~2023年 | ||||
対象年齢 | 18歳以上の成人 | 18歳以上の成人 | ||
買付方法 | スポット・積立 | 積立 | スポット・積立 | 積立 |
対象商品 | 株式・投資信託・ETF | 投資信託 | 株式・投資信託・ETF | 投資信託 |
現行制度・「令和5年度税制改正大綱」より作成
現行NISAと新NISAの主な変更ポイントとしては、
・制度併用
・年間の投資上限額
・非課税保有期間
の3点です。
2-2.制度の併用が可能に
現行NISAでは、「つみたてNISA」と「一般NISA」の併用ができませんでした。
そのため、「つみたてNISA」を利用している人が他の投資をしたくても、
非課税対象にはなりませんでした。
新NISAでは、つみたて投資枠の他に、成長投資枠が設置されるため、
積み立て投資と別の投資枠も非課税となります。
2-3.年間の投資上限額
現行のNISAでは、つみたてNISA枠の上限は年間40万円となっていました。
この上限が、新NISAではつみたて投資枠で年間120万円が上限に引き上げられます。
また、非課税枠が成長投資枠と合わせて360万円まで引き上げられます。
投資額が大きい人にとってはこの恩恵はとても大きいものになるでしょう。
2-4.非課税保有期間
現行のNISAでは、一般NISAは5年、つみたてNISAでは20年の期限がついていました。
新NISAではこれらの期限が撤廃され、非課税期間が無期限となりました。
個人的には、新NISAの目玉はここだと思っています。
なぜなら、「時期の分散」をより実現しやすくなるからです。
投資のプロではない私たちが資産運用をしたいとき、
いかにリスクを分散させられるかが勝負の肝となります。
リスクの分散には一般的に、
「投資先の分散」「時期の分散」が重要だと言われています。
特に、一般NISAを利用していた人たちは、「5年」という非課税期間の縛りがありましたが、非課税期間が無期限になることで、より長期に時間を分散して銘柄を保有することが可能となります。
その他にも、新NISAへの移行においては、我々一般市民が資産形成をする上でのメリットがたくさんあります。
いずれにしろ、この先の資産形成は個人でせざるを得ないようになる可能性が高いため、早めから投資をして資産運用を始めたいものです。
3.とりあえず開設しておくべきおすすめの証券口座2つ
「投資は怖い」というイメージを持っている人も多いかと思います。
野村総合研究所が2022年に実施した「1万人アンケート」によると、
投資経験を持つ回答者の割合は32%だったそうです。
この10年間で12%増加したとのことです。
「投資は怖い」というイメージをなんとなく持っていても、
ご自分の周りの人たちは知らないうちに
投資・資産運用を始めているということかもしれません。
国・会社に依存して、自分だけが老後資金の形成ができなかった、ということのないようにしたいものです。
では、いざ投資・資産運用を始めようと思ったとき、どのようにしたらよいのでしょうか?
まずはスタートラインに立ちましょう。
それは、「証券口座を開設すること」です。
ここでは、資産運用初心者におすすめの証券口座2つをご紹介します。
3-1.楽天証券
投資初心者におすすめの証券口座のひとつめは「楽天証券」です。
特に、「楽天カードを使っている」「楽天銀行を持っている」人とは相性抜群で、
楽天ポイントも溜まりやすくなっています。
具体的なおすすめポイントを書き始めると長くなるのでそれはまた別の機会に。
取引の手数料も業界最安で、国内株式の取引手数料は無料となっています。
また取り扱い銘柄も十分に多くなっています。
操作性についても、初心者がパッと見て視認しやすくなっています。
実際に僕も楽天証券がメイン口座となっています。
今のところほとんど不満なく使っていますので、
家族や友人、職場の大学生たちにも自信を持っておすすめしています^^
3-2.SBI証券
もうひとつのおすすめ証券会社は、SBI証券です。
僕は基本的に楽天の経済圏で動いているので、SBI証券は使っていません。
しかし、周りの友人たちの話を聞いたり、実際の取引画面を見せてもらったりしたところ、視認性が良く、初心者にもわかりやすいデザインとなっていて使いやすさは良さそうです。
またやはり最大手であるので、おすすめしない理由はありません。
楽天証券と比べても、同じく国内株式の取引手数料は無料ですし、取り扱い銘柄についてもさほど大きな違いはありません。
楽天証券かSBI証券か、どちらにしようか悩む人は両方開設しちゃうのもいいかもしれませんね。
もし一つだけにしたいのであれば、楽天カード・楽天銀行を使っている人は楽天証券、それ以外の人はSBI証券でいいのかなと思います。
いずれにしろ、証券口座がなければ資産形成のスタートを切れません。
2024年の新NISA始動に合わせて、思い切って作っちゃいましょう!
4.おすすめの投資信託
証券口座を作ったものの、何をしたらいいかわからない、何に投資をしたらいいのかわからない、という人も多いと思います。
ここでは、資産を形成するにあたってどのように運用するべきか、具体的に説明していきたいと思います。
4-1.新NISAをどう運用する?
投資の鉄則は、「投資先の分散」「時間の分散」です。
もちろん、ひとつの銘柄に集中投資をして大きなリターンを得ることも可能です。
しかし、大きなリターンを得るには、それ相応のリスクを負わなければいけません。
私たちが今したいのは、大きなリスクをとって大きなリターンを得ることではありません。
可能な限りリスクを最小限にとどめ、老後の資金を確実に形成することです。
では、何に投資をしたら良いのでしょうか?
投資先を分散するにしても、日本株?アメリカ株?業界は?何銘柄に分散する?その比率は?など、自分で「どの銘柄に」「どれだけ」「いつ」投資するかを決めるのはとても大変な作業です。
会社に勤めながら資産運用をする人が多いと思います。
これらの作業を本業の片手間にやると、必ず痛い目を見るでしょう。
そこでおすすめなのが、「投資信託」に毎月一定額を積み立て投資することです。
「投資信託」とは、投資のプロが、どの投資先にどれだけの額を投資するのかをお任せできるものです。
ただ、もちろんプロに任せるので手数料を取られます。
数年前までは、この手数料が高かったため手を出しにくかった人も多かったでしょうが、近年では手数料がかなり下がっています。
僕が保有している「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の管理手数料は0.162%と激安になっています。
投資信託では、運用のプロが投資先も勝手に決めてくれます。
投資先銘柄も勝手に分散して投資してくれます。
そのため「投資先の分散」を勝手にやってくれる投資信託は、リスクを最小限に留めた投資方法と言えます。
また、毎月一定額を積み立て投資することで、「時間の分散」をすることができます。
「ドルコスト平均法」という考え方で、投資する時期を分散することで高値掴みを避ける手法です。
投資信託を毎月積み立て投資することで、投資の原則である「投資先の分散」「時期の分散」が可能となります。
また近年では、その手数料もかなり安くなってきているため、お手軽に投資信託を始めることができます。
負けるパターンの多くは、自分で「買う」タイミングと「売る」タイミングを考えるから。
積み立てなら勝手にプロがやってくれるので、自分自身の感情(まだ上がりそう、もう上がらなさそう)が入る余地が無いからです。
もちろん、自分で売買のタイミングを決めたい人もいるでしょうが、投資初心者には基本的に積み立てをおすすめします。
4-2.月に3万円積み立て投資したらどうなる?シミュレーション
名著「バビロンの大富豪」でも、「収入の1割を貯金せよ」との教えがあります。
仮に月収30万円の人が毎月3万円を3%で20年積み立てて複利運用した場合をみてみましょう。
※3%という数字はただの例ですが、実現可能な数字かと。
毎月3万円を3%で運用すると、20年後には・・・
元金:720万円
運用収益:約265万円
になります。
この低金利時代に銀行に預け入れて貯金しているだけだと、ほとんど増えませんが、投資しておくとこれだけ増えることになります。
この期間に私たちがするべきことは、口座にお金を入れて置き、ほったらかすだけです。
あとは投資のプロが超低手数料で運用してくれます。
簡単でしょ?
仮に、毎月のお金の流れをきちんと管理して、毎月5万円を20年積み立てられたらどうなるでしょうか?
元金:1200万円
運用収益:約441.5万円
となります。
複利の力、おそるべし・・・。
もちろん投資なので、多少のリスクはつきものですが、今回の例のように20年間という長期間にわたって「投資時期を分散」させているため、かなりコシの強いポートフォリオになっているはずです。
4-3.おすすめの投資信託
では、投資信託を始めようと思っても、投資信託だけでもいくつもの種類があり、何に投資したらいいのかわからなくなってしまうことでしょう。
ここでは、おすすめの投資信託をご紹介します。
投資先をおすすめするのは僕からするとリスクのあることではありますが、本当に良いものについては恐れずにおすすめしたいと思います。
数ある投資信託のうち、積み立て投資をするなら「全世界株式」か「米国株式」が最良の選択肢になるでしょう。
〇全世界
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
投資信託で資産運用をする場合、長期の分散投資が最も重要になります。
分散をするのであれば、当然「日本株だけ」「新興国だけ」ではなく、すべての国に分散させるのが当然の流れとなります。
その中でもeMAXIS Slimシリーズは管理手数料も激安となっています。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、2023年11月時点で0.057%となっています。
投資先の組み入れ銘柄としては、アップルやマイクロソフト、アマゾンなど、名だたる巨大企業をはじめとする2800以上もの投資先に分散されています。
毎月一定額の積み立て投資を準備しておくだけで、世界中の会社のオーナーになれるというのは投資信託の魅力のひとつです。
eMAXIS Slim 全世界株式のうち、オールカントリーと、日本を除くものの2種類がありますが、個人的にはオールカントリーにされることをおすすめします。
「日本はオワコンだ」などと言う人もいますが、世界で3番目に市場規模の大きい日本を除外して政情不安定な新興国などに投資するのは、合理的ではないと考えるためです。
〇全米
5.まとめ
これから投資を始める人にとって、初めのステップは証券口座を開設することです。
何かの拍子に急に投資をしたくなっても、証券口座を持っていなければ投資をしたいという熱は冷めてしまい、投資を始めるチャンスを失ってしまいます。
逆に証券口座さえ持っておけば、思い立った時にすぐ投資を始めることができます。
特に2024年からはNISAが神改定されるため、証券口座だけは今のうちに開設しておくべきだと断言します。
老後のための資産形成は、国や会社がしてくれるわけではありません。
個人がそれぞれ準備しておかなければいけない時代に突入しています。
貯金だけしておけばいいという時代でもなくなっています。
なぜならインフレリスクを考えれば、数十年後の100万円の価値は今日の100万円の価値よりも下がっている可能性があるからです。
我々個人で自らの資産を作る手段がいくつかあります。
その中でも今回は「投資・資産運用」について紹介しました。
あなたに合った資産形成の手段が見つかるきっかけになればうれしいです。