髭メガネ先生です。

普段は受験コンサルタントとして、
大学受験に悩む受験生のご相談に乗っています。

 

大人数に対して私が講演をするのではなく、
基本的にはひとりの受験生(+保護者)と対面します。

 

そんな中で、
「この相談内容はこの子だけではなく
多くの受験生が抱えているのではないか」

「今回お話しした内容はこの子だけではなく、
ひとりでも多くの受験生が知っていたら、
大学受験で苦しむ受験生が減るのではないか」

という場面があります。

 

そこで、このブログでは受験相談の実例を紹介していき、
ひとりでも多くの方の力になれたらと思います。

 

今回のご相談内容は以下の通りです。

 

今回の相談内容
  • 高1/国公立大学文系志望
  • 志望校の偏差値が60以上となっています。
  • 偏差値60というのは、一体上位何パーセントのことを言うのでしょうか?
  • また偏差値60以上になるための勉強法を教えてください。
今回のポイント!
  • 偏差値60は上位15.9パーセント!
  • 偏差値60以上になりたければまず偏差値50以上を固めよう
  • 偏差値60以上になるためには基礎の徹底が必須
  • 偏差値60以上になるための勉強法を確認しよう!
目次
  1. 1.そもそも「偏差値」ってなに?
  2. 2.【図解】偏差値60って上位何パーセント?
  3. 3.偏差値60以上になるための勉強法
  4. 4.まとめ

1.そもそも偏差値ってなに?

偏差値60以上になりたいとのことですが、
そもそも「偏差値」とはなんでしょうか?

ここでは「偏差値」について軽くご紹介していきます。

偏差値とは?

「偏差値」とは、ひとつの集団の中での位置を示す数値のことです。

単に順位だけで数字が出るよりも、
偏差値の数値が出ることで
より客観的に自分の立ち位置がわかります。

 

「偏差値50」が全体の平均点になります。

そのため、平均点よりも高い点を取れれば
偏差値は50よりも高くなりますし、
平均点以下だったのであれば
偏差値は50未満となります。

偏差値の計算方法

偏差値くらい知ってるよ!という人の中でも、
偏差値がどのように求められるかを
知っている人は多くはないのではないでしょうか。

 

偏差値は以下のように求められます。

偏差値=(個人の得点-平均点)÷標準偏差×10+50

 

わかるようで…
わかりづらいですね^^;

 

「標準偏差」ってなんやねん!
ってことで次で説明していきます。

標準偏差の出し方

偏差値は以下のように求められます。

偏差値=(個人の得点-平均点)÷標準偏差×10+50

 

「標準偏差」がわからない限り偏差値を算出することはできません。

 

「標準偏差」とは、
集団の得点の散らばり具合を表す数値のことです。

大学受験の例だと、
受験者それぞれの得点のバラつきが大きいほど、
標準偏差も高くなります。

 

標準偏差が異なれば、
当然偏差値も変わります。

具体例を見てみましょう。

【例題】
ある人が、平均点60点のテストで70点を取りました。
(1) 標準偏差20のときの偏差値は?
(2) 標準偏差10のときの偏差値は?

 

【こたえ】

偏差値=(個人の得点-平均点)÷標準偏差×10+50

(1) (70-60)÷20×10+50=55  ←偏差値は55
(2) (70-60)÷10×10+50=60  ←偏差値は60

このように、
同じ得点・平均点だったとしても、
標準偏差が大きいと偏差値は低くなり
標準偏差が小さしと偏差値は高くなります。

偏差値に関する注意点

受験生・保護者にとって、
模試の偏差値はとても気になることでしょう。

 

しかし、ここまで見てきたように、
偏差値というのは「平均点」「標準偏差」などによって変わります。

 

そのため、「偏差値」のみにとらわれるのは危険です。

何の模試・試験での偏差値なのかを十分に気にするべきです。


例えば、
受験者数が最大規模である河合塾全統共通テスト模試でとった偏差値60と、
数100人規模の学校の定期テストでとった偏差値60では比較の対象になりません。

また、
難易度が易しい進研模試と、
国公立大学や医学部の志願者が数多く受験するような
難易度の高い駿台実践模試では、
進研模試のほうが偏差値が高く出やすい傾向にあると言えます。

 

このように、偏差値のみにとらわれていると、
本来の自分の立ち位置が見えづらくなってしまい、
客観性が失われてしまいますので注意しましょう。

 

偏差値とは?
  • 偏差値は客観的に自分の立ち位置を知るための指標
  • 得点が平均点と同じなら偏差値50になる
  • 母集団が異なれば、同じ点数でも偏差値は変わる

 

2.【図解】偏差値60って上位何パーセント?

偏差値について少し理解できたので、
次に偏差値ごとの割合と順位の表を見ていきましょう。

偏差値ごとの順位

下の表は、
偏差値ごとの割合と、
1000人中の順位を示したものになります。

 

※偏差値ごとの順位(標準偏差を10とした場合で独自作成)

この表から
「偏差値60」の人は上位15.9パーセント
つまり1000人いたら159位の人を指すことがわかります。 

1000人中の159位が偏差値60となる
というイメージを持つことは大切です。

 

例えばひと学年500人の学校のテストで
偏差値60を取りたいのであれば、
学年で上位80番くらいになる必要があります。

 

漠然と偏差値60というとイメージが湧きづらいですが、
「500人の学年で80番」であれば具体的に目標を
イメージしやすいのではないでしょうか。

 

「偏差値60」って・・・
  • 偏差値60とは上位15.9パーセントの集団のこと
  • 500人のテストなら、上位80位くらい

3.偏差値60以上になるための勉強法

「偏差値60」とは、
上位15.9パーセントの集団である
ということがわかりました。

 

 では、偏差値60以上になりたければ、
どのように勉強したら良いのでしょうか?

ここでは、偏差値60以上になるための
勉強法をご紹介していきます。

偏差値50以下にならないこと!

偏差値60になりたいからと言って、いきなり難しい問題を解かされても、すぐには出来るようになりません。

 

例えば野球であれば、急に打席に立たされて、本気の大谷翔平からホームランを打てと言われても、出来るはずがありませんよね。

まずは120キロ、130キロのボールを打つなど
段階を踏んでトレーニングをするです。

 

マラソンをするにしても、
いきなり世界記録を狙って走るのではなく、
まずは「〇キロを〇時間で走る」
「〇キロ〇時間は絶対に下回らないようにキープする」
などを目標にするはずです。 

 

勉強でも同じで、
いきなり偏差値60を取るために、
難しい問題集を解きまくっても仕方がありません。

 

まずは偏差値50、
つまり平均点を取れる勉強をしていきましょう。

 

偏差値50を常に取れる実力になれば、
そこから偏差値60に伸ばすことは比較的容易です。

 

なぜなら、偏差値50を取り続けるためには、
基礎が固まっていないとでききないことだからです。

基礎を固めよう

 偏差値60を取るために、まずは偏差値50を取り続けましょう。

 

そのためには、基礎を固めることが最重要です。

 

ただ、「基礎」という言葉は非常に曖昧ですので、
もう少し具体的にしましょう。

 

英語における「基礎」とは何でしょうか?

 

それは、「単語」「文法」でしょう。

 

英文を読むことをイメージしてみてください。

 

英文とは、
「英単語」が
「英文法のルールに従って」
並び替えられているものです。

 

そのため、単語と文法を知らなければ、
読める英文も読めなくなってしまいます。

 

極端に言うと、
I have a pen.
I have an apple.

の全ての単語の意味がわからなければ、
「ピコ太郎」の「PPAP」はまったく面白くないですよね。

 

まずは単語と文法を覚えましょう。

四の五の言わずにまず暗記!

 大学受験においては、
「詰め込み暗記が全てだ」
と私は断言します。

 

英語・国語・社会科目など、
いわゆる文系科目については異論ないはずです。

 

一方で、数学・理科についても、詰め込みが全てだと思っています。

結局大学受験レベルの理数系科目は、
ある程度パターンが決まっていますので。

 

 これは、指導要領が新課程に変わる2024年からも同じです。

 

いずれにしろ、
教科書の例題レベルや標準的な単語帳など、
必要最低限の暗記をしっかりしていけば、
偏差値50に乗せることは比較的容易です。

 

私が指導してきた生徒たちで、
基礎の暗記をしっかりして偏差値50に乗らなかった生徒はいません。

もし偏差値50に乗らないのであれば、
それは暗記をしたつもりになっているだけです。

この場合は勉強法に問題があると言えるでしょう。

 

 

もちろん、ただ単語や公式を覚えていればいいというわけではなく、
問題を解きながら暗記していくことが大切です。

勉強習慣をつけよう

いくら一生懸命勉強をしたとしても、
1日に一気にやって残りの6日間は勉強をやらないという人よりも、
毎日コツコツ勉強する人の方が勉強の効率は良くなります。

これは脳科学の領域に入ることですが、
要するに結論としては毎日コツコツやりましょう、ということです。

 

勉強習慣をつける最大のメリットは、
夏休みなどの長期休みで、
毎日多くの勉強時間が取れる時期に訪れます。

まとまって勉強できる時期に、
毎日勉強できるかどうかは
受験の成否を決定づけると言っても
過言ではありません。

 

成績を上げたいのであれば長期休みを制すること。

そのたの準備を普段からしていきましょう。

復習しよう

いくら一生懸命暗記をしていても、
人間必ず忘れていくものです。

今日した勉強の内容は、
復習を一切しなければ、
1週間後には80%近くを忘れてしまいます。

 

試験日が明日やあさってなのであれば別ですが、
受験勉強は1年以上の長期に渡ってする人が多いはずです。

今日した勉強の内容を忘れてからやり直すのと、
その都度復習し、記憶を補強しながら勉強を進めていくのでは、
定着度が雲泥の差になるのは明らかです。

 

成績が良い人というのは、
「復習」の大切さを知ってか知らずか、
自然と「覚えたことのやり直し」を
早いサイクルで実行しているものです。

 

偏差値を上げたければ、
ただただ新しいことを勉強しまくるのではなく、
やった勉強を忘れないように
復習することを心がけてください。

インプットだけではなくアウトプットしよう

暗記が大切であることは、
事細かに説明するまでもないでしょう。

しかし、ただただ教材やプリントを
見て覚えるだけでは効果が薄れてしまいます。

 

なぜなら暗記は
「インプット3、アウトプット7」
の比率で行うことが最も効果的であると
証明されているからです。

 

「アウトプット」の例としては、
・問題集を解く
・自分でポイントをまとめたノートを作る
・友達と問題を出し合う
・友達や成績の悪い子に授業をしてあげる
などが挙げられます。

アウトプットをすることで、
「覚えたつもりになっていた」ところが
浮き彫りになってくるはずです。

そういう範囲を
また教科書などを確認してインプットし直し、
再度アウトプットするという
サイクルを繰り返していけば、
単にインプットのみをした場合に比べて
格段に記憶が定着するはずです。

 

つまり、
インプット→アウトプット→インプット→アウトプット・・・
というサイクルを続けまくることが重要です。

 

偏差値60以上になるためには…
  • 基礎を固めて偏差値50以下にならないことを意識しよう
  • 四の五の言わずにまず暗記!
  • 勉強習慣をつけよう
  • 復習を大切にしよう
  • インプットだけでなくアウトプットを大切にしよう 

4.まとめ

今回は「偏差値」にまつわることについて解説しました。

偏差値60というのは上位15.9パーセントのことです。

 

偏差値60以上の大学を志望するということは、
全受験者のうち、上位15.9パーセント以内に
入る必要があるということです。

 

そのためには、
いきなり難しいことを勉強してもあまり意味がありません。

特に今回は高1の方からのご相談でしたので、
「まずは偏差値50を絶対に
下回らないようにすることから始めましょう。」

というのが私からのアドバイスです。

 

偏差値50を切らないようにするために、
そして偏差値60以上に上げるために、
まずは基礎事項をしっかりと暗記して定着させましょう

 

基礎事項を暗記して、自分の身につければ、
まず偏差値50を下回ることは無くなっていきます。

 

そのためには、
・勉強習慣をつけること
・復習をすること
・インプットだけでなくアウトプットもすること
が何よりも重要です。

 

正しい勉強法さえ続けていれば、
おのずと成果はでてきます。

逆に、
多くの時間とエネルギー、そしてお金を
かけているのにもかかわらず
成績が上がらないのであれば、
それは間違いなく勉強方法に問題があります。

 

まずは勉強のやり方から見直していくことをおすすめします。

 

正しい勉強法については、
以下の2冊が個人的には
おススメです。

保護者の方が見るだけでも
かなりためになりますので
ぜひ参考にしてください!

偏差値60以上になりたい人におすすめの参考書