髭メガネ先生です。
大学受験に悩む受験生のご相談に乗っています。
- 2024年度から新課程になります。社会科目で「歴史総合」がありますが、私立大学志望でもやらないといけないでしょうか?
- 「歴史総合」はいつから対策するべきですか?
- 日本史と世界史、どちらの選択が有利ですか?
- 同志社のみ「歴史総合」は不要!
- 「歴史総合」対策は高3の秋からで十分!それまでに他科目をしっかりと準備しよう!
- 日本史探求と世界史探求では、世界史探求選択のほうが「歴史総合」は解きやすいかも。
1.「歴史総合」とは
これまでの社会選択の場合、
「地歴なら日本史・世界史・地理のうちどれにしようかな」
などと悩んでいたことでしょう。
しかし、2025年入試(2025年4月に大学入学を目指す)からは、日本史や世界史に加え「歴史総合」も出題されることになります。
親世代どころか、2~3年前に受験を終えた人たちからしても「???」な科目である「歴史総合」。
一体どんな科目なのでしょうか。
文部科学省によると、以下のような説明がされています。
○世界とその中における日本を広く相互的な視野から捉えて,現代的な諸課題の形成に関わる近現代の歴史を考察する科目
◎歴史の大きな転換に着目し,単元の基軸となる本質的で大きな問いを設け,諸資料を適切に活用しながら,比較や因果関係を追究
するなど社会的事象の歴史的な見方・考え方を用いて考察する歴史の学び方を身に付ける。
長々書いてありますが要するに
「近現代の日本と世界の歴史を学びましょう。」
ということですね。
もうちょっと言い換えれば
「日本史Aと世界史A」を合体させた「歴史総合」という科目をやりましょうってことです。
多くの人にとってなじみのない「歴史総合」ですが、関関同立志望者にとってはどのように対策をしたら良いでしょうか?
また対策をし始める時期はどうしたらいいでしょうか?
そこで今回は、関関同立志望者の「歴史総合」の勉強法や考え方、対策の時期などをご紹介します!
「歴史総合」について知って、効率良く対策してしまいましょう!
2.関関同立では同志社のみ「歴史総合」の出題がナシ!
- 同志社→「歴史総合」は不要
- 関西大学→「歴史総合」を含む
- 立命館大学→「歴史総合」を含む
- 関西学院大学→「歴史総合」を含む
関関同立の4大学に限れば、同志社大学は「歴史総合」を範囲に含むという記載はありませんでした。
その他、関西大学・立命館大学・関西学院大学については「歴史総合」を含むと明確に記載があります。
「歴史総合」という科目が、日本と世界の関係や結びつきを強く意識している科目であることを踏まえると、
例えば日本史探求を選択した受験生は、近現代の世界史を。
世界史探求を選択した受験生は、近現代の日本史を勉強する必要があるということになります。
であれば、関関同立の中で「歴史総合」の出題予定が無い同志社大学は、他の3大学と比べると歴史科目の負担が減ることになります。
もちろん、今後変更される可能性は否定できませんので各大学からのお知らせは逐一チェックするようにしてくださいね。
3.歴史総合の対策はいつからするべき?
- 「歴史総合」の対策は高3の秋からでいい!
- 理由①「歴史総合」の配点と量
- 理由②他の科目と比べたときの優先度の低さ
3-1.「歴史総合」の対策は高3の秋でいい?
基本的に学校では、「日本史探求」「世界史探求」に入る前に「歴史総合」を履修するカリキュラムになっているはずです。
そのため、学校では高校1年生の時点で最低限「歴史総合」を勉強することになります。
では大学受験にむけて「歴史総合」の対策をいつからするべきでしょうか?
答えは「人による」です。
身も蓋もありませんね(;'∀')
だってみんなそれぞれ条件違うんだもん…。
とはいえこれだとみんな困るので、個人的な考えをお伝えします。
関関同立を志望すると仮定した場合、
ズバリ「秋以降で十分」です。
3-2.「歴史総合」の対策は高3の秋でいいと思う理由①
私が個人的に「歴史総合」の対策が高3の秋からでいいと思う一つ目の理由は、配点と量です。
例えば「世界史探求」を選択した受験生だとしましょう。
共通テストの世界史では、100点満点中25点が「歴史総合」。
75点が「世界史探求」という配点になります。
私立大学の入試問題でも同じ配点割合とは限りませんが、25%以上も「歴史総合」から出題するとは考えにくいです。
というか、可能性は限りなくゼロに近いでしょう。
そう考えると、MAXでも25%ほどの「歴史総合」と、80%ほどの「世界史探求」では、世界史探求のほうが重要であることは明白です。
また、「歴史総合」の対策にかかる時間を想定すると、長めに見積もっても4~8週間かなと予想します。
関関同立あたりを目指すのであれば、一般入試は2月の頭ですから、12月から始めても間に合う計算です。
もちろん余裕はもつべきですので、10月・11月から準備を始められれば理想的というところでしょうか。
「歴史総合」の配点と量を踏まえると、秋からでも対策は問題ないと考えます。
3-3.「歴史総合」の対策は高3の秋でいいと思う理由②
「歴史総合」の対策が高3の秋でいいと思う理由の2つめは、他の科目と比べたときの優先順位が低いからです。
英・国・世界史での受験生であるとしましょう。
夏休みまでは、英・国・世界史探求の基礎をしっかりと詰めていく時期。
夏休みは、それまでに固めた基礎知識を、演習でアウトプットして「点数化」する時期。
9~11月は、公募推薦入試に向けて英・国をさらに固め、世界史探求は忘れない程度に維持する時期。
12月からは直前期。
と考えると、「歴史総合」をやっている暇はあまりありません。
夏休みであれば時間に余裕もあるので、「歴史総合」をやるのに最適かと思う人も多いかもしれません。
しかし夏休みは、英語と国語を盤石に、そして世界史の通史をしっかりと押さえたい時期です。
そんなときに「歴史総合」をやるのはあまりおすすめしません。
また、同志社大学のように「歴史総合」を含まない大学を志望するのであれば、なおさら「歴史総合」に時間をかける必要がありません。
そう考えると、「歴史総合」はやはり後回しにしていい、優先度が低い科目になります。
であれば秋以降、なんなら12月からでも間に合いますので、さほど急いで対策をすることはありません。
とはいえこれはあくまで英語と国語をしっかりと優先させることが前提です。
英語も国語もそんなにやっていないのに、歴史総合もあとまわしなのであれば、確実に間に合いません。
この場合は、志望校を下げるか浪人を考えましょう^^;
4.日本史と世界史の選択はどっちが有利?
歴史総合という科目のことだけを踏まえると、
日本史探求と世界史探求のどちらを選択する方が有利になるのでしょうか?
明確な答えはありませんが、
個人的には世界史探求を選択した人のほうが歴史総合を解きやすいのではないかと考えています。
「歴史総合」は、日本と世界との関わりを問われる科目です。
小学校や中学校までの義務教育で、最低限の日本史についてはほとんどすべての人が勉強しているはずです。
逆に世界史については、場合によっては全く触れないまま中学生から高校生になる人もいるかもしれません。
そう考えると、日本史探求を選択した人の場合は、なじみのない世界の歴史について「歴史総合」で問われることになります。
一方で世界史探求を選択した人からすると、最低限学んだ経験のある日本史と、いままさに勉強している世界史が相互に関連づけやすくなるため、歴史総合での得点の可能性は高くなることが考えられます。
5.まとめ
指導要領の変更に伴い、これまでの受験の常識もいくらか変化していくことになります。
今回の「歴史総合」についても、2025年入試から本格的に導入されていくことになります。
その中で、同志社を志望しているのに「歴史総合」を一生懸命勉強したところで出題されません。
また関西学院大学などを志望しているのに「歴史総合」の対策をしないと、大きな失点になります。
「歴史総合」という科目の正体を知らなければ、受験では損をすることになります。
あなたはそんなことにならないように、しっかりとリサーチして正しい情報を集めるようにしましょうね。
今回の記事があなたの受験が上手くいく手助けになれれば幸いです。